意外と知られていない、学習障害(LD)についてです。 

LD 学習症(学習障害)の本 (育ちあう子育ての本)

LD 学習症(学習障害)の本 (育ちあう子育ての本)

 

 

 

 

どうも、ペンギン先生です。

学習教室の運営を通して、時々目にするのが子供の学習障害についてです。

身体障害や精神障害など目に見えやすいものと違い、

勉強にはもともと個人差があるため気付きにくいのが特徴の学習障害。

でも、子供のそばにいる親がきちんと向き合わなくてはいけないことでもあります。

今回はそんな学習障害について紹介します。

 

 

 

 

【学習障害(LD)とは?】

学習障害とは、知的発達の障害ではなく、特定の能力に困難を示すことです。

障害という言い方を避け、近年ではLearning Disabilities=LDと呼ぶこともあります。

学習障害者は全体の2~3%いると言われており、クラスに1人くらいはいる計算です。

LDは決して発達障害ではないので、すべての学習が苦手と言うわけではありません。

特定の技能だけができないため、「苦手」という言葉で片付けられてしまうこともあります。 

女の子よりも男の子に多く表れやすいとも言われていますが、

現代の医学では解明されていないことが多いのが現状です。

LD 学習症(学習障害)の本 (育ちあう子育ての本)

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なお、1999年の文部科学省の定義では以下のようにされています。

「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、

聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、

特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。

学習障害はその原因として、中枢神経系になんらかの機能障害があると推定されるが、

視覚障害・聴覚障害・知的障害・情緒障害などの障害や環境的な要因が

直接の原因となるものではない」

とある通りで、病気ではなく一つの特性とも言うことができるでしょう。

 

 

【学習障害のチェックポイント】

学習障害の症状は実に多岐にわたります。

特定の技能について習得能力が低いので、技能ごとに困難を示すパターンがあります。

・言葉を習っても読むことができない(ディスレクシア)

・読めても文字を書くことができない(ディスグラフィア)

・他者の話を聞くことができない

・うまく表現したり話したりすることができない

・簡単な計算ができない(ディスカリキュア)

このように各技能ごとに困難がありますが、特定の技能以外のことはスムーズにできることが多いため、

少しくらいの遅れであれば「苦手」と判断されて済まされることも多々あります。

 

 

【学習障害の弊害】

私が個人的に心配しているのは、学習障害そのものではなくそれによる弊害です。

それは「子供の精神的な負担」にかかわる2つのことです。

1つは、自分の努力に対して結果がついてこないことへの劣等感

子供によっては他の技能はできるのになぜこれができないんだろう?

周りと比較して考えてしまう子もいます。

そういう子にとって学習障害は精神的な負担になりかねないのです。

もう1つは、周囲からの目。

学生時代は多感な時期なので、少数派へのイジメなどは珍しいことではありません。

成績が悪いことや読み書きができないことが原因で、

周りから冷たい目で接される可能性もないとは言い切れません。

そうした環境に置かれる危険性もあるので、なるべく早く気づき周りの理解を要請したいところです。

 

 

【学習障害を認めたくない親が多い!】

多くの親は自分がそうした障害を持っているとは思いたくないのが心理だと思います。

現に学習障害は他の技能はスムーズにできることが多いですし、

「苦手」の一言で片づけてしまうこともできるので見過ごしがちになってしまいます。

しかし、子供にとってみれば、

「自分は頑張っているのに成績が伸びない! どうしてだろう?」

と悩んでいる可能性だってあります。

そういう場合には親が歩み寄って寄り添い、一緒に考えてあげることが必要です。

 

脳機能の障害が原因とは言われているものの、はっきりと医学的な解明はされていません。

ただし先天性なものの可能性が高く、育て方や環境によるものではありません。

認めたくない親の心理も分からなくはないですが、

子供のためにも目を背けずに向き合ってあげることが必要なのではないでしょうか。

 

同時に、学校や塾、他の保護者なども他人事とは思わずに、

学習障害のことをよく理解し、対処法を考えていくことが必要です。 

LD 学習症(学習障害)の本 (育ちあう子育ての本)

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