中3国語の定番「高瀬文」の文章読解ポイントです。

どうも、元塾長のペンギン先生です。

中学3年生が取り組む国語の文章の中に、森鴎外の「高瀬舟」があります。

名作ですが、学生には読解が難しく、定期テスト前につまずく生徒も多い物語です。

そこで今回は、中学生のために「高瀬舟」の読解ポイントを紹介します。

【『高瀬舟』とは?】

「高瀬舟」は、森鴎外によって書かれた罪人を送る舟をテーマとした物語です。

中学の教科書では、主に光村図書の教科書で採用されています。

読書を楽しむために掲載されているようですが、

内容を正しく理解できているかが、定期テストで問われることも多いので対策が必要です。

【『高瀬舟』のあらすじ】

弟殺しの罪人である喜助の護送を命じられる、高瀬舟の宰領こと庄兵衛。

喜助が普通の罪人とは違って、楽しそうな様子なのを不思議に思った庄兵衛は、

喜助の話を聞いて、喜助は欲がなく、足ることを知っているのだと感じた。

そして、病気の弟が自殺を図った際に死にきれず、

弟を苦しみから救うために刃を抜いて死なせたという喜助の罪を聞く。

それを聞いた庄兵衛は、果たして人殺しなのだろうかと疑問を抱く。

しかし、上からの判断に従うしかないと思い、腑に落ちないものが残った。

【『高瀬舟』読解のポイント】

「高瀬舟」を理解するうえで理解したいのが、大きく3つです。

この3つを押さえておくだけで、文章が読みやすくなり、テストも解きやすくなります。

①喜助はなぜ楽しそうな様子なのか?

庄兵衛は、高瀬舟に乗った喜助がいかにも楽しそうなのを不思議に思います。

今まで見てきた罪人は、いつも見ていられないほど気の毒な様子だったのに、

喜助は遊山船にでも乗ったような楽しそうな様子をしているのが、気になり出します。

そこで、理由が知りたくなった庄兵衛は、喜助に問います。

すると喜助は、他の罪人にとって島に行くことは悲しいことだけど、

自分は今まで世間で辛い思いをしてきたから、島に落ちつけることがありがたいと言います。

このことから、喜助にとって島に流されることは落ち着ける場所に行くということであり、

他の罪人たちと心持ちが違うということが分かります。

②「大いなる懸隔」とは何か?

この物語でも、キーワードとなっているのが「大いなる懸隔」という言葉です。

懸隔とは、へだたりのことで、喜助と庄兵衛のへだたりのことを表しています。

庄兵衛が、喜助の話を聞いた結果、大いなる懸隔があることを知るわけですが、ここは

喜助→なんとか食べていけるだけで満足するなど、欲がなく、足ることを知っている

庄兵衛→将来への不安や際限ない欲望に追われている

この大きな違いについて、テストに出題されやすいのでよく理解しておきましょう。

③庄兵衛は喜助の話を聞き、何を思ったか?

物語としては、喜助が弟を殺してあげる場面が印象的ですが、

読解となると、喜助の話を聞いた庄兵衛の心情を中心に理解すると良いでしょう。

兄に楽をしてもらたいと自殺を図った弟が失敗し、

剃刀を抜いてくれと頼まれ、弟を苦から救おうとした結果、殺してしまったという話を聞き、

庄兵衛は、果たしてこれが罪なのかという疑問が生じます。

お奉行様(オオトリテエ)に従うしかないと思いながらも、納得できない気持ちも残ったのです。

物語はここで終わるので、腑に落ちない庄兵衛の心情が強調されています。

【森鴎外について】

「高瀬舟」は、文学史として問われることの多い、森鴎外の作品です。

森鴎外の経歴や過去の作品などがテストで出題されるかもしれません。

また、作者名として「森鴎外」を漢字で書かせることもあるので、確認しておきましょう。

森鴎外は、陸軍軍医を経験後、ドイツに留学。翻訳や創作の分野で活躍しました。

森鴎外の作品としては「舞姫」「雁」「山椒大夫」が知られています。

【『高瀬舟』の定期テスト対策なら】

もう一つの記事では、「高瀬舟」に注目した定期テスト対策の記事あげています。

光村図書の教科書を使っている中学3年生は、1学期のテストで出ることが多いでしょう。

受験が近い時期なので、定期テストで確実に得点して、内申をアップさせましょう。

【中3国語】森鴎外『高瀬舟』で定期テスト前に確認したい問題

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